■森さんはその変化を楽天で迎える準備をされているんですね。
我々は今、楽天技術研究所フェローのまつもとさんとの共同研究で、大規模分散処理技術に取り組んでいます。具体的には、分散処理基盤となる「fairy(フェアリー)」と、「ROMA(ローマ)」というグリッド・システムを作っています。この領域は、業界各社が同様の研究を行なっています。例えば、もちろん何よりも先行している米グーグルの「GFS(Google File System)」、それから米ヤフーの「Hadoop(ハドゥープ)」、それから米オラクルが買収して提供しようとしている「Coherenceコヒーレンス)」、米アマゾンの「Dynamoダイナモ)」。「Dynamo」は、「ROMA」の構想後にその存在を知ったのですが、あまりに同じ発想だったので驚きました。
必要だと思う技術に対し、同じような発想で着手しているというこの状況には、同時代性のようなものを感じています。われわれの主戦場ですね。